2016年 10月 22日
10月21日 立川流日本橋亭寄席 + 立川笑ニ月例独演会 |
お江戸日本橋亭にて、立川流の一門会があり、前座仕事、今日は受付を担当しました。
開場時間まで時間があったので、私同様前座として入っていた笑んと太鼓の練習をしました。
どうしても力が入りすぎて硬くなっている動きを治すため、笑んの柔らかい動きを真似しながら練習しました。しかし、まだまだ力が強すぎるので、日々意識して練習しなければなと感じました。
一門会終わり、笑んとお江戸広小路亭で笑ニ兄さんの独演会の前座仕事を務めさせて頂きました。
会終わり兄さんに笑んと一緒にご飯に連れて行って頂きました。打ち上げも終わり、家に帰りました。
今日は朝から一日中動いたけど、アクシデントもなく、平和に終わったなと思いながら、寝る準備をしていました。
すると、笑ニ兄さんから高円寺のあるお店に急いで来いとメールが届きました。
さっき別れたばかりなのにと一瞬思いましたが、あぁウチの総領弟子だなとすぐ理由がわかりました。
遅い、早くと笑ニ兄さんからのメールを受け取りながら、やっとお店に着くと、案の定、笑ニ兄さんと三軒目モードの吉笑兄さんがいました。兄さんは居酒屋を三軒目以上はしごすると、ずっと同じ事を繰り返し言い続け、翌日にはその事を完全に忘れる、そのタチの悪い三軒目モードでした。
これは穏やかじゃないなと身構えました。
しかし、今日の兄さんは少し違いました。
私が来る前に頼んだお酒とは違う物が届いたようで、その事にずっと独り言でおかしいおかしいと繰り返し言い続けており、笑ニ兄さんがそれをなだめていました。
吉笑兄さんに挨拶すると、笑坊なんで来た?こんな時間にもういい来なくて、と何度か言われ、こっちに矛先がくるかと思いましたが、やっぱりおかしいとすぐに元に戻りました。
こうなると一生終わらないので、吉笑兄さんに最後の一杯ですよと念を押し、笑ニ兄さんが一旦お店の会計を終えて、我々はお店の外に出て寂しくなった吉笑兄さんが出て来るのを待ちました。
少しして笑ニ兄さんは、翌日朝早くから仕事があるようで、じゃあ笑坊は兄さん待っててと帰られました。
店の外から中の様子を見ると、いつの間にか隣の席のお客さんと仲良くなって盛り上がる吉笑兄さんの姿。これはなかなか出てこないかなと不安になりました。
しばらくすると兄さんが店員さんに五千円札を突き出しながら出口に来ました。
お会計は済んでいますのでと言う店員さんにいや払ってないからと言う吉笑兄さん。
私が笑ニ兄さんが払ってくださいましたと言うといや俺は払ってないからと、頑なにお金を戻そうとしないので、チップとして店員さんに受け取って頂くことに。
店を出て兄さんからもう帰っていいよと強くと言われたので、しつこくいるのも良くないので、お礼だけしてその場を離れ、近くにあった大きな看板に隠れて、兄さんの様子を伺っていました。
立ち往生する総領弟子。
それを隠れて見ている坊主の弟弟子。
しばらくすると、気配を感じたのか、こっちを凝視し出し、ついに見つかってしまいました。
ヤバい、なんで帰ってねぇんだと怒られる。
そう思ったのとは裏腹に、兄さんは笑いながら近づいてきました。
コンビニに行こうと言われ、理由も感情もわからないなと思いつつ、近くのコンビニに向かいました。
その道中、手提げカバン、リュック、上着をと、どんどん持ち物を捨てて身軽になる兄さん。兄さんのお捨て物を拾いながらコンビニに着きました。
兄さんは真っ先にATMに向かいお金を下ろし出しました。
まだ呑むつもりなのかとゾッとしました。
ところが、兄さんは下ろしたてのお金を私に差し出しこれで帰りなと言いました。タクシー代にしては多すぎる金額だったので、こんなに貰えないですといっても、いいからと強く言われたので、結局頂くことにしました。
荷物を渡しながら、後はいいから帰りなと何度も言われましたが、相当酔っているので、これ以上の奇行を起こさないように吉笑兄さんをタクシーに乗せました。
兄さんを見送り、私は兄さんが詐欺に遭わないように願いながら家に帰りました。
最後の追い込みがとてつもない、とても長い1日でした。
立川笑坊
by shoubou51
| 2016-10-22 07:21
| 立川流